289、自律神経の整え方について

今回は自律神経の整え方についてです。

 

 

以前の当店のブログもご覧ください。

 

自律神経-1 「交感神経と副交感神経」

 

自律神経-2 「自律神経と気圧」

 

自律神経-3 「自律神経を整える」

 

次に『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』著者:小林弘幸より自律神経についての説明をお借りします。

 

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『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』

 

交感神経と副交感神経の理想のバランスは一対一です。

 

体がもっともよい状態で機能するのは、実は、交感神経も副交感神経も両方とも高いレベルで活動している状態のときだったのです。

 

交感神経が優位になると顆粒球(白血球の一種)が増え、副交感神経が優位になるとリンパ球が増えます。

 

自律神経のバランスを精神状態で表すと、交感神経は「緊張・興奮」、副交感神経は「余裕・安心」ということができます。

 

「副交感神経を高い状態に保つこと」が健康な人生を生きることにつながり、自分の能力を最大限に発揮できるように導いてくれるのです。

<中略>

一つは、副交感神経を下げてしまうことをやらないこと。

もう一つは、副交感神経が上げることを積極的に行うことです。

 

自律神経をコントロールするポイントは、ひと言でいうと、「ゆっくり」です。

「ゆっくり」を意識し、ゆっくり呼吸し、ゆっくり動き、ゆっくり生きる。

 

自律神経全体の活性が落ちてしまっている場合、最初にすべきことは、自律神経の日内変動に合わせた規則正しい生活をすることです。

つまり、早寝早起きをするとともに、日中はアクティブに、夕方以降はリラックスして過ごすということです。

こうした規則正しい生活をしながら、ある程度の運動をすることで副交感神経を上げていくと、まず交感神経のレベルが上がり、次に副交感神経が上がるというかたちで、自律神経全体の活性が上がっていきます。

 

人間の体において、もっとも大切なのはやはり「栄養の吸収」なのです。

 

私が朝・昼・晩と一日三回の食事をとることをお勧めするのは、「食事=腸への刺激」という意味です。

 

便秘を改善するために最初にやっていただくのが、この「朝一番のコップ一杯の水」です。

 

腸内環境がよくなると全身の調子がよくなる正のスパイラルが回りはじめるということです。

 

現段階で自律神経を確実にコントロールできるのは何かというと「呼吸」なのです。

 

胸腔には圧力を感知する「圧受容器」というところがあるのですが、息を吐く時間が長ければ長いほどこの圧受容器に圧力がかかりつづけることになります。

少々むずかしい話になりますが、圧受容器には静脈の血流量をコントロールする働きがあるので、圧力のかかる時間が長ければ長いほど、つまり、息を吐く時間が長ければ長いほど静脈に流れる血流量が増え、副交感神経が刺激されるという仕組みになっています。

 

心からの笑顔はもちろんのこと、たとえつくり笑顔であっても、口角を上げれば副交感神経は上がるということでした。

 

睡眠不足は副交感神経のレベルを低下させ、自律神経のバランスを悪くさせます。

 

血管の動きをコントロールしているのは自律神経です。

一般的に交感神経が働くと血管は収縮し、副交感神経が働くと血管は弛緩します。

自律神経のバランスがいい状態では、交感神経が血管を収縮させ、副交感神経がが血管を弛緩させるということがちょうど交互に起こります。

そのため収縮と弛緩がリズミカルに繰り返され、血流がスムーズになります。

 

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まとめますと、自律神経を整えようと思ったら副交感神経を高めるようなことをすればいいということでした。

 

その内容は、

1、ゆっくりを心掛ける。

2、腸を整える。

3、深呼吸する。

4、睡眠の質を高める。

  4-A:毎朝、決まった時間に起きる。

  4-B:日中、適度に運動する。

  4-C:床に就く3時間前までに食事を済ませる。

  4-D:寝る2時間前くらいから目に強い刺激を与えない。

  4-E:寝る90分くらい前にお風呂に15分くらい浸かる。

です。

 

次はこれらを解説したいと思います。

 

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1、ゆっくりを心掛ける。

 

これを実践しようと思うと一番に気を付けたいのは時間でしょうか。

時間に余裕を持つと焦らずに済むと思います。

他人に対しては、自分と同じ動きや要領を求めないことで焦ることなくゆったりとした気持ちでいられると思います。

 

心の動きや自分の感情が自律神経を介して体に影響するという内容です。

 

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2、腸を整える。

 

この本で勧めているのは「一日三回の食事」と「朝一番のコップ一杯の水」でした。

これらは腸の蠕動運動を活発にさせることが目的です。

 

それと「乳酸菌を主成分とする整腸剤」と「ヨーグルト」も勧めていました。

これは、ビフィズス菌など腸内の善玉菌を増やすのに役立つ乳酸菌を多くとると、便秘によって悪玉菌が増えてしまっていた腸内細菌の状態が善玉菌の多い「いい状態」に変化していきます。とのことです。

 

それと同時に腸内環境によくない習慣をやめることも必要です。

それは悪玉菌が増える原因になる動物性たんぱく質や脂質の多い食事に偏らないこと。

それと、冷たい物をとりすぎて胃腸を冷やさないことです。

 

脳が欲する物ではなく、体に必要な物を食べるのがいいですね。

 

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3、深呼吸する。

 

「一で吸って、二で吐く」

ゆっくり一数える長さで息を吸い、その倍の時間をかけて息を吐くということです。

 

注意点は、

ああしなければいけない、こうしなければいけないと意識した瞬間に自律神経のバランスは崩れてしまう

ですので、「一で吸って、二で吐く」以外は体が求めるままにするのが良さそうです。

 

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4、睡眠の質を高める。

 

睡眠が不足すると一発で自律神経のバランスが崩れる

それと、

睡眠不足だと副交感神経が上がらない

ということですので、睡眠不足だと上記の1~3をしていても効果が出ないということになります。

 

そして、睡眠は「長さ」だけでなく「質」も大切です。

いくら長時間寝ても眠りが浅かったり、途中で何回も目が覚めるようでは睡眠の質がいいとは言えません。

ですのでここでは睡眠の質を高める方法をまとめます。

 

睡眠の質を高めるためにはどうすればいいか?

4-A:毎朝、決まった時間に起きる。

4-B:適度に運動する。

4-C:寝る3時間前までに食事を済ませる。

4-D:寝る前は目に光の刺激を与えない。

4-E:寝る90分くらい前にお風呂に15分くらい浸かる。

 

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4-A:毎朝、決まった時間に起きる。

 

睡眠には「睡眠ホルモン」と呼ばれているメラトニンが大きく影響します。

メラトニンは体内時計、睡眠・覚醒リズムに影響し、催眠作用があります。

このメラトニンが放出されるのが、起床してから14~16時間後くらいと言われています。

ですので23時頃に寝ようと思うと、朝の7時~9時には目覚めてないといけないということです。

 

そのメラトニンを増やすためには、セロトニンを増やして就寝前の刺激(目への光や食べ物)を避ける必要があります。

「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンを増やすには、日光浴やリズム運動、十分な睡眠、規則正しい生活をして、トリプトファンをとる必要があります。

 

トリプトファンは必須アミノ酸です。

体内で生成できないので、食べ物から摂取する必要があります。

肉や魚、大豆などのタンパク質を含む食材に多く含まれています。

 

つまり、毎朝決まった時間に起きて、タンパク質を含む食材を食べて、リズム運動や規則正しい生活をして、寝る前の刺激をやめればメラトニンがよく分泌されるということになります。

 

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4-B:適度に運動する。

 

脳疲労と体の疲労は違うものです。

それに運動のしなさ過ぎで体が疲れるということもあります。

 

適度な運動をして血行をよくし、体を適度に疲れされることで快適な眠りにつきやすくなります。

 

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4-C:寝る3時間前までに食事を済ませる。

 

この3時間というのは食べた物の「消化」にかかる平均時間が目安になっています。

 

食べものが胃に滞在する時間は、平均2~3時間。お肉や天ぷらなど脂肪分の多い食べものは4~5時間かかる。

大原薬品工業

 

 

内臓にしてみれば「消化」とは労働あり、睡眠中が「休息」になります。

 

睡眠時間は、脳や内臓、自律神経系、ホルモン系、免疫系などその日に生じた体内のあらゆる不具合をリセットし、翌日の活動に備える、大切な整備の時間です。

豊橋ハートセンター

 

 

ですので寝る時にはしっかり消化(労働)を終わらせて、胃腸が整備モードに入れるようにしておくと睡眠の質が高まります。

そのために床に就く3時間前までに食事を済ませるということです。

 

 

それと、お酒を飲んで寝ない。

 

慢性的なアルコールの摂取は、中途覚醒や睡眠の質を低下させます。

大塚製薬

 

 

カフェインを多く含む飲み物は飲む時間を考慮する。

 

就寝前にカフェインを含む飲料や食品を取ることは体に少なからずの悪影響を与え、睡眠サイクルが崩れ、寝不足や不眠症を引き起こすということです。

カフェインの半減期は約4時間とされ、摂取してから5~8時間は体内に内在し効果が続くため、8時間前にコーヒーの門限を設定するのが理想です。

SleepediA

 

 

アルコールやカフェインは睡眠の質を下げてしまうのでこれを避けることは睡眠の質を高めることに繋がります。

 

16時間のプチ断食は医学的に健康にいいとされているようです。

 

アメリカの最新研究が証明、「空腹」こそ長寿と健康のカギだった

PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

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4-D:寝る前は目に光の刺激を与えない。

 

夜中に強い照明の中にいると体内時計の働きが乱れてメラトニンの分泌が抑えられます。

武田薬品国内サイト

 

照明というのは、部屋の明かりもそうですがスマホやパソコンの光も同じようです。

 

禁物なのは夜の光です。朝の光と反対で夜の光は体内時計を遅らせる力があり、夜が更けるほどその力は強くなります。家庭の照明でも(照度100~200ルクス)、長時間浴びると体内時計が遅れます。また日本でよく用いられている白っぽい昼白色の蛍光灯は体内時計を遅らせる作用があるため、赤っぽい暖色系の蛍光灯が理想と言えます。

e-ヘルスネット

 

体内時計が狂うと睡眠の質が下がってしまうので、その原因である目への刺激を避けることは睡眠の質を高めることに繋がります。

 

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4-E:寝る90分くらい前にお風呂に15分くらい浸かる。

 

深部体温が下がり皮膚温度と深部体温との差が縮まることで、自然と眠くなり深い睡眠が得られます。

SleepediA

 

深い睡眠を得るためには、皮膚温度と深部体温との差が縮まる必要があるそうです。

そのためには深部体温を下げる必要がある。

そのためには深部体温を一回、上げないといけない。

(人の体には恒常性があり、体温が上がると下げようとする働きが起こるため)

そのためには40℃のお風呂に15分入浴するといい。

すると約90分後に深部体温が下がって、皮膚温度と深部体温との差が縮まるから睡眠の質が高まるということです。

 

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メラトニンをしっかり分泌させる習慣は、睡眠の質を高める習慣であり、それが副交感神経を高めることになり、自律神経を整えることになります。

ですので規則正しい生活をして、食べる物に気を付けて、適度に運動し、寝る前の刺激を避ければ健康になっていくということになります。

 

一番簡単でいつでもできるのは深呼吸ですね。

息をゆったり長く吐いて副交感神経を高めましょう。