287、原因別 腰痛の改善方法と再発防止対策 その2(タイプ6~タイプ10+α)

 

前回からの続きです

 

当院では体に痛みや不調がある場合まずは病院での検査をお勧めしています

今回腰痛対策の体操を取り上げますが脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症など骨や椎間板に異常が出て痛みが発生してる場合は体操(自力)より先に安静や整体(他力)が必要です

 

病院の検査で原因がわからない場合は当院やこちらの記事がお役に立つかも知れません

ですが運動の種類や適量は人によってさまざまです

書いてある体操を実践する場合は慣れるまで「物足りない程度」にしてください

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

タイプ6 ゴルフによる体の捻じれ

 

ゴルフをよくする方の腰痛は脊椎(背骨)の捻じれが原因であることが多いです

脊椎(背骨)の捻じれが原因の場合は「夜はマシだけど昼は何をしてても痛い」と「首も痛い」いう方が多いように感じます

 

ゴルフスイングが右打ちの場合 広背筋は左側、大胸筋は右側が疲れている方が多いです

その左右差が肋骨の捻じれとなり脊椎(背骨)の捻じれに繋がるんだと考えます

 

ですので整体としては左右のバランスを取るように広背筋や大胸筋、前鋸筋をほぐしてから脊椎(背骨)特に第1腰椎付近の捻じれを戻します

その後 下後鋸筋をほぐします

 

ご自身でできる対策は練習後のクールダウンと水分補給(お水がいい)です

体が捻じれるのは筋肉が左右アンバランスにこっているからです

ですので深呼吸と左右均等になるような体操をお勧めします

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

タイプ7 急な運動

 

長年何もしていなかった人が急に運動をして腰痛になった場合ですとかいつも運動はしていたけどいつもより多く運動して腰痛になった場合は足に原因があることが多いです

こういう方は「横に寝てるとマシだけど歩いたりすると痛くなる」という方が多いように感じます

足への神経は腰から出ていますので足の異常を腰部で感知して関連痛が起こっているのかも知れません

 

長年運動していなかった人は特定の筋肉が固く関節に捻じれがある場合が多いです

得意な筋肉だけで体を支えそれが限界に達して関節が捻じれて痛みに繋がるのかも知れません

その場合は捻じれを改善してから固い部分をほぐします

 

いつもより多く運動して痛みが出た方は普段の疲れが残っているので足全体が固く重いです

その場合は足全体をほぐしてから流します

 

対策はどちらの場合も運動に耐えられる筋肉がつくまでは運動の内容と量を調節して頂く必要があります

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

タイプ8 内臓下垂

 

痩せ過すぎの方や全く運動をしない方、食べ過ぎの方などが腰痛の場合 内臓下垂が原因である可能性があります 

 

痩せ過すぎの方と全く運動しない方は筋力の低下により内臓下垂が起こる可能性があります

食べ過ぎの方はお腹が出てきてその重みに耐えられなくなって内臓が下垂してきます

 

大腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に分けられます

その内盲腸、上行結腸、下行結腸、直腸は後腹膜に固定されています 

しかし横行結腸とS状結腸はある程度自由に動くので他の部位より下垂しやすいです

横行結腸が下垂するとその下にある小腸が圧迫され、さらにその下の膀胱も圧迫されます 

後腹膜は筋肉で支えられていますが支えている筋肉が弱くなると後腹膜が下がり内臓も下がります 

 

内臓下垂が原因で腰痛が出ている場合 下垂した内臓自体の異常による関連痛か又は腰神経叢を引っ張って腰に痛みが発生したのか又は周辺の筋肉を圧迫して動作不良を起こし異常が出たのか又は周辺の血管を圧迫して血流障害が生じたのかこれらの内どれか一つ又は複合して痛みが出ている可能性を考えます

 

この場合は下垂した内臓を押し上げます

それだけで痛みが改善する方もいますし、その後ほぐせなかった部位がほぐせるようになり痛みがなくなる方もいます 

 

対策は立った状態で膝がおへそより高くなるように片膝を上げる運動をします

その場で足踏みするように状態に合わせて左右交互に数回上下させます

その後上向きに寝てお腹を下から上に擦り上げながら深呼吸します

それと日中思い出したら腹式呼吸をして内臓を上げるイメージをしてもらうといいと思います

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

タイプ9 季節の変わり目

 

季節の変わり目に腰が痛くなる方は「ある姿勢になると痛い」という方が多く「全身しんどい」というのと「首や肩もこっている」というのがセットの人が多いです

 

季節の変わり目は気温差や気圧の変化によって自律神経が乱れやすいです

自律神経が乱れると内臓が疲れ自律神経の経路にコリが生じます

  

自律神経の交感神経は脊髄から各臓器に分布しています

自律神経の副交感神経は橋や延髄、仙骨から各臓器に分布しています

迷走神経の経路は延髄から総頸動脈と内頸静脈の間を通って右は鎖骨下動脈の前、左は大動脈弓の前を通って腹腔に入り枝分かれします

ですので自律神経が疲れると後頭部や脊椎(背骨)周辺や仙骨が固くなり、迷走神経が疲れると首や鎖骨周辺が固くなります 

 

胸最長筋は肩の付け根から仙骨まで届く脊椎(背骨)の横にある筋肉で主に上半身を伸展する(後ろに反らす)働きをします

交感神経が疲れて脊椎(背骨)周辺が固くなっている場合 背中部分の胸最長筋も固くなりやすいです

それが原因で腰に痛みが出ている場合腰だけではなく肩から背中も含めてほぐすと腰痛の改善に繋がります

 

迷走神経が疲れて首や鎖骨周辺がこっている場合 肩甲骨周辺も固くなりやすいです

肩甲骨が固くなると先ほどの胸最長筋や広背筋にも影響が出ます

それが原因で腰に痛みが出ている場合も腰だけではなく、首や鎖骨周辺から背中も含めてほぐすと腰痛の改善に繋がります

 

対策は日頃のリズムと運動が大切です

決まった時間に起きて食事して排泄する

それと適度な運動が自律神経の安定に繋がり季節の変わり目に出る体調不良を軽減してくれます

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

タイプ10 ストレス

 

ストレスが原因で腰痛になる方は副腎周辺と頭が固い方が多いです

その場合は腰痛以外に疲労感であったり常にイライラ感があったりします 

 

ストレスと副腎の関連について他のサイトから拝借します 

 

・・・・・・・

ストレッサーが引き金となる生体反応のうち、視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)を介した内分泌反応は様々な精神疾患との関連が示唆されている。

<中略>

ACTHは副腎皮質を刺激し、コルチゾールの分泌を促進する。

脳科学辞典より

 

過剰なストレスを受け続けると<中略>コルチゾールの分泌が慢性的に高くなり、これがうつ病、不眠症などの精神疾患、生活習慣病などのストレス関連疾患の一因となることが分かってきています。

ヤクルト中央研究所より

・・・・・・・

 

ここからは予想なのですが長期間強いストレスにさらされるとコルチゾールを分泌し過ぎて副腎が疲弊する

すると副腎を被っている腎筋膜も緊張する。

それによって腎筋膜周辺に局所の循環障害が出る

だから副腎に近い大腰筋や腰神経叢に痛みが表れるのだと考えています

 

この場合は頭(特に側頭部)と副腎周辺をほぐします

 

対策は短期的には趣味や運動などをして気を紛らわすのがいいと思います

中期的にはストレスを受け流せるようにして、長期的にはストレスを感じなくするよう考え方を変えていく必要があります

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

+α 横隔膜が原因のギックリ腰

 

横隔膜の歪みが原因でギックリ腰になった方がいました

 

前かがみになって重い物を持つことがあるお仕事です

上向きに寝てもらうとみぞおち部分の肋骨がかなり歪んでいました

日頃の疲れと無理な姿勢が原因で腹筋が耐えきれなかったのかも知れません

 

横隔膜の起始部は腰椎部・胸骨部・肋骨部と3ヶ所あります

ですので肋骨部が捻じれ横隔膜が捻じれそれが腰椎部に伝わったのだと考えました 

 

下向きで寝てもらった時 何をしても腰がほぐれなかったのですが上向きで肋骨の歪みを改善したら呼吸が楽になりその後下向きで腰もほぐれました

その結果 整体前は起き上がることができず態勢を変えようとするだけで呼吸が苦しく腰が痛かったのが整体後は立って歩けて呼吸も楽になりました 

 

・・・・・・・

 

ギックリ腰の原因は今回のパターン1~10とは違うことがあります

同じ腰の痛みでも原因は様々です

いずれにしましても限界になるまでご本人は気づかず一度痛みが出ると尾を引く方が多いです

 

原因を改めて、対策をすれば再発はしにくくなっていきますので諦めないことが肝要です

 

健康に良い習慣を!