284、改善例「50代男性」肩甲骨の間の痛み改善

こんにちは!

再生整体 輪(りん)の樋口です

 

50代男性が「肩甲骨の間が痛い」と言って来院されました

家の近くの病院でレントゲン検査したけど原因がわからず少し離れた大きな病院でMRI検査したけどこちらでも原因はわからなかったそうです

痛み以外の症状を聞くと「食事をすると首周りが熱くなる」とのことでした

 

 

背中の痛みだけでしたら筋肉的な原因を先に探しますが今回は食後の異変を言ってくださいましたので自律神経を疑いました

「痛い」とおっしゃる場所を触ると胸椎4番付近でした

胸椎4番と関りが深いと言われている胆のう周辺を触りますと確かに重い感じがありました

他に異常がないか全身を確認していくと鎖骨周辺も固かったです

 

上向きに寝てもらい足から頭までほぐして血行を促進していきました

特に腹部を持ち上げるようにしてみぞおち周辺の血行を促進します

胸鎖乳突筋と鎖骨周辺もほぐしました

 

その後もう一度下向きに寝てもらって胸椎4番周辺の脊柱起立筋の弾力を戻すようにほぐしました

この時点で座ってチェックしてもらうと背中の痛みはかなり改善したけど少し残っているとのこと

 

どの動作が一番痛いかチェックしてもらうと「肘を横にして前に出すと背中に痛みが出る」ということでした

なので次は腕や肘周辺をほぐしてもう一度チェックすると背中の痛みは完全になくなりました 

 

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整体した内容を文字で書くと「ほぐす」と「血行促進」だけなのですが体を理解しながら行うことで結果がついてくるのだと思っています

そこで今回のことを細かく書いてみます 

 

まず背中の痛みについてです

 

「肩甲骨の間が痛い」という症状と「食事をすると首回りが熱くなる」というお話から自律神経が関わっているのでは?と想像しました 

 

自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経の経路は視床下部→脊髄→交感神経幹→各臓器です

カイロプラクティックのメリックシステムで考えますと胸椎4番は胆のうと関わりが深いことになります

それと「迷走神経(副交感神経)構成線維の約75%、内臓神経(交感神経)の50%は求心性線維とされている」ということも考慮しました

 

つまり胆のうの疲労が交感神経を伝って脊髄のところ(胸椎4番)で関連痛として痛みが出たのでは?と想像しました

 

 

「胆のうの疲労」を「周辺の血行の悪さ」と仮定します

筋肉がこったり捻じれたりすると血行が悪くなり体が正常に働きません

その結果その臓器自身が痛みを発したり関連痛となって他の場所に痛みが出ます

ですので胆のう周辺のコリをほぐし血行を促進しました 

 

痛みが出ている胸椎4番は周辺の筋肉がコリ、上下の圧迫がきつくなって神経を圧迫していたと想像しました

ですので胸最長筋や多裂筋、回旋筋をほぐしました 

 

その後肘を動かした時に出る痛みは上腕三頭筋→肩甲骨→僧帽筋と大菱形筋→胸椎4番の繋がりを考慮し上腕三頭筋をほぐしました

その結果「肩甲骨の間が痛い」という症状は無くなりました

 

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次に「食事をすると首周りが熱くなる」という症状ですがこちらは筋肉のコリからくる血行不良を疑いました

  

食事をすると迷走神経が働いて胃腸の蠕動運動を活発にして消化を促そうとします

消化を促すには安静時より多くの血液が必要になります 

 

つまり胃腸に多くの血液を送ることになります

その途中にうまく流れない所があるとそこに血液が溜まってしまいます

血液は熱も運んでいますので「血流が悪いところ=熱がたまる」となります

 

これらのことから血行が悪いところが熱く感じたのかも知れないと想像しました

 

内臓が疲れている人には胸鎖乳突筋がこっている人がいます 

この方の胸鎖乳突筋もこっていて胸鎖乳突筋の起始部にあたる鎖骨も固くなっていました

ですので胸鎖乳突筋のコリをほぐし迷走神経を緩め鎖骨周辺をほぐして鎖骨の動きを取り戻すことで血行が促進されました

 

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今回の主訴である「肩甲骨の間が痛い」原因は胆のうの異常が関連痛として胸椎4番で出ていたんだと思います

 

ではなぜ胆のうに異常が出たのでしょうか?

それは日常の食生活や運動習慣、ストレスなどの影響が大きいと思いますが今回は気温差の影響も大きいと思います 

 

気象病と呼ばれるものがあります

気象病とは気温や気圧の変化によって引き起こされる症状の総称です 

 

気圧検出センサーは内耳(前庭器官)にあり、内耳前庭部で受容されたのち自律神経反応を引き起こすそうです

交感神経が優位になれば痛みが出て副交感神経が優位になればだるさや倦怠感、眠気が出る

 

急激に気圧が低下すると人はそれをストレスと認知します

すると対抗しようとして交感神経が優位になる

交感神経が優位になると血管が収縮するから血行が阻害される

結果、酸素不足になるし疼痛物質や炎症物質が溜まってくるので痛みが出てくる 

 

気温の急激な変化は交感神経と副交感神経とがめまぐるしく切り替わります

低温暴露は血中のノルアドレナリン量を増加させることがわかっていてノルアドレナリンが交感神経の情報伝達物質として放出されると交感神経の活動が高まります 

 

つまり気温も気圧も急に下がると交感神経が活性化されて痛みが出やすくなる

それと気温の乱高下は自律神経の乱れに繋がり疲弊する

これらが症状となって表れるようです 

 

1日の内に10℃以上の気温差がある時(とある実験では7℃の気温低下で血圧と心拍数が明らかに増加した結果もあるそうです)や、前日と比べて10ヘクトパスカル(hPa)以上気圧が変化したら自律神経の乱れに繋がるので少しきつめのソックスを履くと急場しのぎになります 

 

季節の変わり目に体調を崩しやすい人はこういった気温や気圧の変化が影響しているのかも知れません

そういった方はしんどい時は整体を受けて頂いて体調の良い時は習慣に気をつけると気温差にも耐えられるようになっていきます

 

健康に良い習慣を!