273、健康維持に瞑想

 

目次

1、瞑想をお勧めする理由

2、瞑想にはどんなタイプがあるの?

3、寝てしまう人にオススメの瞑想は?

4、瞑想の目的とは?

5、瞑想のやり方4ステップ

 5-1、場を整える

 5-2、姿勢を整える

 5-3、呼吸を整える

 5-4、思考を整える

 

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1、瞑想をお勧めする理由

 

頭が固くて重たいお客さんが多く来店されます。

本人さんは気づいていないのですが終了後頭が軽くなって、「重かったんだ」と気づきます。

 

その理由は首のコリもありますが、多くは頭の使いすぎだと思います。

 

目の酷使からも脳は疲れます。

人が外界の情報を得るのに視覚からが80%と言われています。

情報が入ればそれを処理しようと脳が無意識に働きます。

 

そして脳は酸素消費量全体の20~25%を消費していると言われていて、

常に酸素不足にならないように、脳への酸素や栄養の供給は優先されます。

 

つまり普段目を酷使したり考え事やストレスが多いと、脳がいつもフル回転状態で酸素消費量が多くなり、体の他の器官に酸素が充分に行き渡らずに体全体が疲れていると考えられます。

 

 

対策としては瞑想です。

瞑想は心を鍛えるためでもあり、脳を休め全身に効率よく酸素を分配するための技術です。

 

目をつむることにより、外界からの情報を減らして脳が無駄に働かなくていい状態を作ります。

その状態でゆっくりと深呼吸をして酸素を取り込むと、脳に酸素が充分に行き渡り、その後必要な所にも送られていきます。

 

すればするほど、続ければ続けるほど効果は実感できます。

 

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酸素ボンベなしで深くもぐるフリーダイビングの人が、「より深く潜るコツは何も考えないこと」だと言っていました。

脳に酸素を消費されないためでしょう。

 

プロテニスプレイヤーが短い休憩中、目をつむって深呼吸している姿が映っていました。

酸素をより多く筋肉に送るためでしょう。

 

プロのスポーツプレイヤーは目をつむって深呼吸することを前から取り入れているようですね。

 

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ちなみに、心の病気になってしまった人に対しては、瞑想の効果は薄かったそうです。

つまり、一度病気になってしまうと瞑想では治りにくい。

 

しかし瞑想も技術と考えると、それも納得できます。

ヨガや太極拳などの運動同様、健康な時から続けることに意味があるのだと思います。

 

瞑想は「病気にならないため」なってしまったら「少しでも早く回復するため」そして「健康を維持するため」の手段として、運動に匹敵するほど有効だと思います。

 

他には顔ヨガをしたり、コメカミや耳の上をほぐして頭部の血行をよくします。

 

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2、瞑想にはどんなタイプがあるの?

 

瞑想は大きく分けると2タイプ。

 

瞑想を調べている時に座禅との違いが気になり、本やインターネットなどを色々見ましたが瞑想と座禅の違いは「言い方」だけのように感じます。

ですのでここでは「瞑想=座禅」と考えます。

 

やり方は瞑想も座禅も色々ありました。

それらを大きく分けると、集中タイプと観察タイプの2タイプに分けることができました。

マインドフルネスは観察タイプに入ります。

 

 

他の細かい違いは、目を完全につむるのか、半眼か、全て開けるのか。

ですとか、座り方や手の置き場所、指の形などでした。

 

目の開閉については、「つむる」の漢字が「瞑る」なので、瞑想は目を瞑るのが基本だと思います。

ただ、寝てしまう人が多いから半目でいいとか開けてていい。と緩和されてきたんだと思います。

 

「脳を休めて酸素をしっかり取り入れる」といった意味では目は瞑った方がいいです。

 

目を瞑ると寝てしまう人には集中タイプの方が寝にくいです。

しかし、集中タイプはひどくなると精神に異常をきたす人がいるらしいので、観察タイプの方がよさそうです。

 

 

座り方は、可能であれば結跏趺坐(けっかふざ)で行います。

結跏趺坐とは、胡坐(あぐら)の形で座り、両足の甲を逆の太ももの上に乗せる座り方です。

結跏趺坐(けっかふざ)だと仙骨が立てやすく、仙骨を立てると背骨が綺麗に伸びやすくなります。

 

しかし「目の開閉」同様、人によってこの姿勢は辛いので半跏趺坐(はんかふざ)や胡坐(あぐら)でもいいとなってきたのだと思います。

最近では椅子に座っててもいいと言われています。

 

大切なのは背筋を伸ばすことです。

 

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瞑想を2タイプに分けた時の1つ目、集中タイプ

 

よくある集中タイプの瞑想は、「呼吸」や「呼吸を数えること」に集中します。

 

他のパターンは、

慈悲の冥想は言葉に集中。

アジナー瞑想は、額に光をイメージしてそれに集中。

マカバ瞑想は星形正四面体を想像してそれに集中。

などがありました。

 

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瞑想を2タイプに分けた時の2つ目、観察タイプ

 

観察タイプは、始め呼吸に集中して、途中「思い」が浮かんできたらそれを観察します。

そして手放して、また呼吸を意識します。

 

「何が浮かんでも全てOK」という気持ちで、受け流すのが観察タイプです。

 

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3、寝てしまう人にオススメの瞑想は?

 

私は瞑想してるとかなりの確率で眠くなります。

寝てしまうこともあります。

 

そこで、寝ずに済む瞑想を色々試すと、形をイメージすると眠くならなくなりました。

具体的には、アジナー瞑想ですとかマカバ瞑想です。

 

しかし、アジナー瞑想は「一点に集中」しますから、「呼吸に集中」するのとそんなに変わりません。

マカバ瞑想は「星形正四面体」を想像するのですが、難しくて疲れます。

 

そこで2つの中間を取って、両手とおでこを結んで三角形をイメージすると頭がスッキリしました。

 

詳しく書きますと、

両手の労宮(ろうきゅう)のツボとおでこの額中(がくちゅう)というツボ、

これらを結んで三角形を作ります。

 

労宮(ろうきゅう)は手の平の中央にあるツボで、拳を握ったときに中指と薬指の先端の間に位置します。

 

額中(がくちゅう)は額の真ん中にあるツボです。

仏様の眉間のやや上にある白毫(びゃくごう)の位置です。

 

その三角形のイメージを保つようにすると意識がスッキリハッキリしながら集中することができます。

その後、観察タイプに移行します。

 

ですので私の瞑想は、始めに三角形をイメージして、他の思いが浮かんで来たらそれを観察するというやり方です。

 

 

「それでも寝てしまう」という方には、動きながら瞑想する、指先瞑想・歩行瞑想・手動瞑想ですとか、

動禅と言われているスワイソウという方法もあります。

 

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4、瞑想の目的とは?

 

瞑想の目的ですが、真の瞑想は心が解放され「何もなくても喜びが湧いてくること」です。

 

本を読んでいて一番いいと思った目的は、

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「脳と瞑想」より

瞑想の目的は智慧を得て、苦しみから自由になっていくことと、一切衆生への深い慈悲を育てていくことです。

瞬間瞬間に気づいていくことはその手段です。

もちろん瞑想によって心の安らぎや落ち着きが生じたり、あるいは歓喜の体験や三昧体験などさまざまな変容意識体験も生じてきますが、そういった境地を得ることが瞑想の最終目的ではありません。

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瞑想はいらないことを考えない練習であり、集中力を身に付ける練習でもあり、続けることで意志力もついていきます。

つまり精神力を鍛錬する方法が瞑想です。

 

心理学者の人は、心拍変動を意志力の体内「保有量」と呼ぶそうです。

心拍変動高い=意志力の量が多い、ということです。

 

そして瞑想は心拍変動を上昇させます。

つまり意志力が上がるということです。

 

さらに意志力を高めるには呼吸をゆっくりするといいとのこと。

呼吸を1分間に4回から6回までに抑える。

 

つまり10秒から15秒で一呼吸とすると前頭前皮質が活性化して心拍変動も上昇する=意志力の量が増える。

意志力の量が増えると、自制心を発揮できる状態に切り替えるのに役立つそうなので「ゆったり呼吸」も取り入れたいですね。

 

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その他にも、瞑想をすることで得られる効果は健康です。

 

瞑想や座禅には名前や方法が色々ありますが、

共通するのは「脳が無駄なことにエネルギーを使わくて済む」ということだと思います。

 

ということは、脳が体の維持に全力を注げる=ホメオスタシス(恒常性維持機能)が向上するということ。

つまり自律神経が整い、血行や内臓が整い、身体が健康になる。

 

瞑想をしている最中はもちろん、続けていると日常生活にもいい影響が出てくるようです。

 

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1回5分くらいから始めて、慣れたら1回20分以上を毎日。

タイミングは朝一が良さそうです。

 

仏教に「善因善果」という教えがあるそうです。

朝から心が晴れやかになれば、その日一日いいことが起こる。

という教えだそうで、ぜひ取り入れたい習慣です。

 

続けることが大切ですね。

 

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5、瞑想のやり方4ステップ

 

5-1、場を整える

 

瞑想は、調身(ちょうしん)・調息(ちょうそく)・調心(ちょうしん)が大切だと言われています。

しかしこれは昔、瞑想をする場所が「いらない物が何もない状態」だった時代の条件だと思います。

 

物にはプラーナ(生命力)を吸う力があると言われていて、物が散らかっていると自分の気が散ってしまいます。

ですので今の時代、家で瞑想をするなら先に場を整える必要があります。

 

ヨガの行法哲学である「断捨離」が一時期はやりましたし、風水でも整理整頓は重要とされています。

それくらい「場」というものは整える必要があるのです。

 

 

片付け方は、「中居正広の金曜日のスマたちへ」で有名になった近藤麻里恵さんの「人生がときめく片づけの魔法のテクニック」もいいですし、製造業では「5S3定」が使われています。

 

5Sとは整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)のことで、

 

整理とは、要るものと要らないものを分けること。

整頓とは、要るものを使いやすいように片付けること。

清掃とは、掃除。

清潔とは、整理・整頓・清掃を維持すること。

躾とは、上記4つが人に教えられるくらい身についていることです。

 

3定とは定位・定品・定量のことで、

 

定位とは、決められた場所。

定品とは、決められた品物。

定量とは、決められた数量です。

 

これらの考え方を取り入れて、まずは場を整えましょう。

 

 

他にも具体的には、

 

・体を締め付けない服装

・装飾品を外す

・室外の音が入ってこないようにする

・自分の好きな心の休まる音楽を流す

・部屋の明かりを落とす

 

などがあります。

 

集中できないのは注意力が散漫になるからで、集中するとは「しないことを決めること」とも言われています。

ですのでまずは整理整頓で「しないこと」を決めましょう。

 

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 5-2、姿勢を整える 

 

姿勢は、結跏趺坐(けっかふざ)でも半跏趺坐(はんかふざ)でも胡坐(あぐら)でも椅子に座っても大丈夫です。

大切なのは、頭の天辺から尾骨までが一直線になることです。

 

座って位置を決めたら背筋を伸ばして体を前後左右にゆらして中心を探します。

頭のてっぺんが真上から引っ張れているイメージで、胸は反らしません。

 

手を足の上に自然に置きます。

手の平を上に向けて親指と人差し指で軽く輪を作ります。

これはチンムドラーと言われている形です。

突き合わせると「上品上生印」となり、この印は自分の本心とつながるための印だそうです。

 

姿勢が整ったら目を閉じます。

 

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 5-3、呼吸を整える

 

呼吸は、鼻から吸って口から吐きます。

 

吸う時間を1とすると吐く時間を2とします。

3秒かけて吸ったら6秒かけて吐く。

 

無理のない程度にゆっくりと。

徐々に延ばしていきます。

 

 

慣れたら腹式呼吸にしましょう。

息を吸う時にお腹を膨らませて、吐く時にお腹をへこませます。

 

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慣れるまではここまでを繰り返します。

まずは、姿勢と呼吸が正しくできているかが大切です。

腹式呼吸も無意識にできるまでは、意識しながら行いましょう。

 

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 5-4、思考を整える

 

三角形をイメージして、他の事が浮かんで来たらそれを観察して手放す。

これを繰り返します。

 

「三角形をイメージ」している時だけが瞑想ではなく、

「三角形→その他の思いを観察→手放す→三角形→」と、

一連の流れ全てが瞑想です。

 

瞑想は「浮かんでくる思い全てオッケー」の気持ちで行います。

 

深呼吸をして終わります。